スポーツをする子が風邪をひきやすい|食事と休養で体調の土台を整える考え方

スポーツをする子が風邪をひきやすい|食事と休養で体調の土台を整える考え方

「練習を頑張っているのに、季節の変わり目になると決まって風邪をひいて、大事な試合を休んでしまう……」。保護者の皆さまから、もどかしさの混じったお声としてよく届きます。食事で体調を「治す」ことはできませんが、毎日の食事と休養は、体調の土台を整えるうえで大切な要素と考えられています。今回は、よく体調を崩すお子さまのために、保護者ができる食事と生活の整え方を、公的資料をもとに一緒に考えていきます。

まず土台は「バランスのとれた食事」と「十分な休養」

体調を支える力を考えるとき、最初に立ち返りたいのは特別な食材ではなく、バランスのとれた食事十分な睡眠・休養です。

特定の食品をたくさんとれば体調が崩れにくくなる、という単純なものではありません。主食・主菜・副菜がそろった食事を、3食を基本に整えること。そして、練習で疲れた体をしっかり休ませること。この2つの土台があってはじめて、体は本来の調子を保ちやすくなると考えられています。

逆に、練習に追われて食事が偏ったり、睡眠が削られたりすると、体調を崩しやすい状態になることがあります。まずは「特別なことをする」より「土台を崩さない」ことから始めてみてください。

体調の土台に関わると言われる栄養を、食品ベースで

そのうえで、体調を支えることに関わると報告されている栄養素を、食品ベースで意識してみるのもひとつの方法です。サプリメントで補うより、日々の食事の中で自然にとり入れるのが基本です。

タンパク質

体をつくる土台となる栄養素で、体の調子を保つ働きにも関わると考えられています。肉・魚・卵・大豆製品・乳製品など、毎食に少しずつとり入れたい食材です。

ビタミンA・C

ビタミンAは緑黄色野菜(にんじん・かぼちゃ・ほうれん草など)やレバー、卵などに、ビタミンCは果物(みかん・いちご・キウイなど)やブロッコリー・じゃがいもなどに多く含まれます。彩りのよい野菜・果物を食卓に添える意識が役立ちます。

ビタミンD

ビタミンDは、魚(鮭・さんま・しらすなど)やきのこ類に多く含まれ、日光を浴びることでも体内でつくられます。屋外で活動するジュニアアスリートにとっては身近な栄養素でもあります。詳しくは「ビタミンD」もあわせてご覧ください。

亜鉛

亜鉛は、肉(赤身肉)・魚介(牡蠣など)・大豆製品・ナッツなどに含まれるミネラルです。体の成長や調子を保つことに関わると考えられています。詳しくは「亜鉛」で扱っています。

腸内環境を整える発酵食品・食物繊維

ヨーグルト・納豆・味噌などの発酵食品や、野菜・きのこ・海藻・豆類に多い食物繊維は、腸内環境を整えることに役立つと報告されています。腸の調子は体全体の調子とも関わると考えられており、毎日の食事に少しずつとり入れたい食材です。

これらはどれも、ふだんの食事に無理なく組み込める身近な食材ばかりです。「あれもこれも」と気負わず、いろいろな食材をまんべんなく、を合言葉にしてみてください。

練習のしすぎと体調の関係

意外と見落とされがちなのが、練習量と体調のバランスです。

熱心なお子さまほど、休みなく練習を続けてしまうことがあります。しかし、休養が足りないまま強い負荷が続く状態(オーバートレーニング)になると、疲労が抜けず、体調を崩しやすくなることがあると考えられています。「頑張っているのに体調を崩しがち」という場合、食事だけでなく、練習と休養のバランスを見直してみる価値があります。

しっかり休むことも、立派なトレーニングの一部です。週に1日はしっかり休む、疲れがたまっている日は無理をさせない——こうした「引き算」の発想も、体調の土台を守るうえで大切です。疲労回復の食事については「疲労回復」もご参照ください。

「食事で病気を防げる・治せる」とは考えない

ここで、ひとつ大切にしたい前提があります。バランスのとれた食事や休養は体調の土台を整える助けになりますが、それで病気を「防げる」「治せる」というものではありません。

風邪などの感染症は、食事の良し悪しだけで決まるものではなく、さまざまな要因が関わります。食事を整えても体調を崩すことはありますし、それは保護者の皆さまの努力が足りないからではありません。「食事は土台づくりの一部」と捉え、過度に背負い込まないことも大切です。

こんなときは医療機関へ

軽い鼻かぜや、数日で回復する体調の崩れは、休養をとりながら様子を見ることが多いものです。一方で、発熱が続く、せきや鼻水が長引く、ぐったりして元気がない、食事や水分がとれない——こうした様子が見られるときは、食事や休養で様子を見ようとせず、早めにかかりつけの小児科を受診してください。体調の不安は、自己判断せず医療機関に相談するのが安心です。

まとめ:体調の土台を整える、5つのチェック

  • まずは「バランスのとれた食事」と「十分な休養」を土台にする
  • タンパク質・ビタミンA・C・D・亜鉛をいろいろな食材から
  • 発酵食品・食物繊維で腸内環境を意識する
  • 練習のしすぎ(オーバートレーニング)を避け、休む日をつくる
  • 「食事で病気を防ぐ・治す」とは考えず、不調が続けば受診する

のびしろめしから

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出典

  • 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
  • 米国小児科学会(American Academy of Pediatrics)小児の栄養・休養に関する推奨

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