
ジュニアアスリートと亜鉛|成長期に意識したい食事と多く含む食品をやさしく解説
「最近、亜鉛が大事って聞いたんですが、何を食べさせればいいんでしょう」。保護者の皆さまから、栄養素についてのこうしたご質問が増えてきました。亜鉛は、ふだんあまり意識しないかもしれませんが、成長期の体づくりを支える大切なミネラルのひとつです。今回は、亜鉛の役割と、多く含む食品、食事から無理なく補う工夫を、公的資料をもとに一緒に整理していきます。
亜鉛はどんな働きをする栄養素?
亜鉛は、体のなかでさまざまな働きに関わるミネラルです。新しい細胞をつくる働きや、体の成長、味覚を正常に保つこと、体の調子を整えることなどに関わっていると考えられています。
成長期は体がぐんぐん大きくなる時期であり、新しい細胞をさかんにつくります。そのため、成長期のお子さまにとって、亜鉛をはじめとするミネラルを食事からきちんと補うことは、体づくりの土台のひとつになると考えられています。厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」でも、亜鉛は体に欠かせない栄養素として、年齢別の摂取の目安が示されています。
ただし、「亜鉛をたくさんとれば背が伸びる」「強くなる」といった単純な話ではありません。亜鉛はあくまで、バランスのとれた食事という土台のなかで働く栄養素のひとつ。特定の栄養素だけに頼るのではなく、全体のバランスのなかで考えることが大切です。
亜鉛を多く含む食品
亜鉛は、いろいろな食品に含まれています。成長期のお子さまの食事に取り入れやすいものとしては、次のような食品があります。
- 赤身の肉(牛肉・豚肉の赤身など):亜鉛を比較的多く含む食品として知られています
- 魚介類(あさり・しじみ・かきなど):貝類は亜鉛を含む食品のひとつです
- 大豆製品(納豆・豆腐・厚揚げなど):植物性の食品からも補えます
- ナッツ類(カシューナッツ・アーモンドなど):補食としても取り入れやすい食品です
- チーズ(乳製品):手軽にとれて、カルシウムも一緒に補えます
これらを見てわかるように、亜鉛は特別なサプリメントに頼らなくても、いつもの食事に肉・魚介・大豆製品・乳製品をバランスよく取り入れることで、自然と補える栄養素です。「赤身の肉とあさりの味噌汁」「納豆ごはんにチーズを一切れ」といった組み合わせなら、無理なく食卓に取り入れられます。
運動で汗とともに失われやすいと言われる点
亜鉛は、汗のなかにもわずかに含まれていると言われています。そのため、たくさん汗をかくジュニアアスリートは、運動量の少ない子と比べて、体から失われる量がやや多くなる可能性が指摘されています。
また、運動量が多いと、それだけ体づくりや代謝も活発になり、必要な栄養素の量も増えやすいと考えられています。だからこそ、しっかり練習しているお子さまほど、毎日の食事で亜鉛を含む食品をバランスよくとり入れることを意識したいところです。とはいえ、過度に心配して特定の食品ばかりを増やす必要はありません。いろいろな食品をまんべんなく食べることが、結果的に亜鉛も含めたミネラル全体を満たすことにつながります。
不足のサインは断定せず、気になるなら相談を
亜鉛が不足すると体にさまざまな影響が出ることがあると言われていますが、お子さまの体調の変化が「亜鉛不足のサイン」かどうかを、ご家庭で見た目だけで判断するのは難しいものです。体調の変化には、亜鉛以外にもさまざまな要因が関わっています。
「食欲が落ちている」「なんとなく元気がない」といった様子が続く場合も、自己判断で亜鉛のサプリメントを与えるのではなく、まずはかかりつけの小児科に相談してみてください。栄養に関する心配ごとは、専門の窓口に相談することで、お子さまに合った形でアドバイスを受けられます。
サプリより食事から、とりすぎにも注意
亜鉛を補う方法として、サプリメントを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。ただ、成長期のお子さまの場合は、まずは食事から補うことを基本にしたいところです。さまざまな食品から自然にとることで、亜鉛だけでなく、ほかの栄養素もバランスよく補えるためです。
また、亜鉛はとりすぎにも注意が必要なミネラルです。サプリメントなどで過剰にとり続けると、ほかのミネラルの吸収に影響が出ることがあると考えられています。「足りないかも」と思って自己判断で多めに与えるのは避け、量や使い方に迷うときは、かかりつけや専門の相談窓口に相談してください。あくまで一般論として、いろいろな食品をバランスよく食べることが、いちばん安心できる補い方です。
まとめ:亜鉛と食事、5つのチェック
- 亜鉛は成長・味覚・体の調子を支えるミネラル
- 赤身の肉・魚介・大豆製品・ナッツ・チーズなどから補える
- 汗をかくジュニアアスリートは意識して取り入れたい
- 不足のサインは自己判断せず、気になるなら小児科に相談
- サプリより食事から。とりすぎにも注意する
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出典
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」(亜鉛の役割・年齢別の摂取目安・過剰摂取への注意)
- 米国小児科学会(American Academy of Pediatrics)の小児栄養関連推奨
- 日本スポーツ栄養学会



