
子どもの脂質、減らしすぎていませんか?スポーツをする小学生の良質な脂質のとり方
「脂っこいものは控えめにしたほうがいいですよね?」。保護者の皆さまから、こうしたお声をよく伺います。脂質は「太る」「体に悪い」というイメージで語られがちですが、成長期のジュニアアスリートにとっては、欠かせない大切な栄養素のひとつです。今回は、なぜ脂質が大切なのか、そしてどんな脂質をどう選ぶとよいのかを、公的資料をもとに一緒に整理していきます。
脂質は成長期に欠かせないエネルギー源
脂質は、炭水化物(糖質)やタンパク質と並ぶ、体を動かす大切なエネルギー源です。同じ重さあたりのエネルギーが三大栄養素のなかで最も大きく、たくさん動くジュニアアスリートにとっては効率のよいエネルギー源になると考えられています。
脂質の役割はエネルギーだけではありません。体の細胞をつくる材料になったり、ビタミンA・D・E・Kといった「脂溶性ビタミン」の吸収を助けたりと、成長期の体づくりを支える働きがあります。厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」でも、脂質は1日に必要なエネルギーの一定割合をまかなう栄養素として位置づけられています。
つまり、脂質を一律に「控えるべきもの」と捉えてしまうと、成長期に必要なエネルギーや栄養が不足してしまうことがあります。大切なのは「減らす」ことではなく、「質を選ぶ」ことだと考えられています。
「良質な脂質」はどんな食品に含まれる?
脂質と一口に言っても、含まれる食品によって質はさまざまです。成長期に意識して取り入れたい「良質な脂質」を多く含む食品には、次のようなものがあります。
- 魚(さば・いわし・さんま・さけ・ぶりなど):青魚に多く含まれる脂は、体の調子を整える働きがあると報告されています
- ナッツ類(くるみ・アーモンドなど):補食としてもとり入れやすい食品です
- 植物油(オリーブオイル・なたね油など):日々の調理で使う油も大切な脂質源です
- 卵:手軽にとれて、良質なタンパク質も一緒に補えます
- 乳製品(牛乳・チーズ・ヨーグルトなど):カルシウムとあわせて脂質も補えます
これらは、特別なものを買い足さなくても、いつもの食事に少し意識して取り入れられる食品ばかりです。たとえば「夕食の主菜を肉と魚で交互にする」「補食にチーズやナッツを少し添える」といった小さな工夫から始められます。
揚げ物・お菓子の脂質との付き合い方
一方で、揚げ物やスナック菓子、洋菓子などに多く含まれる脂質は、とりすぎると食事全体のバランスを崩しやすいと言われています。これらを「食べてはいけないもの」と考える必要はありませんが、量と頻度を意識することが大切です。
ポイントは「ゼロにする」のではなく「メインにしない」こと。揚げ物が続いた日は翌日を焼き物や煮物にする、お菓子は時間と量を決めて楽しむ——このように、全体のなかで上手に位置づけてあげると、無理なく続けやすくなります。練習後の補食でも、スナック菓子だけで済ませるより、おにぎりや乳製品、果物などを組み合わせると、エネルギーと栄養のバランスが整いやすくなります。
成長期に脂質を過度に減らさない
ときどき、「健康のために」と家庭ぐるみで脂質を大きく減らそうとされるケースがありますが、成長期のお子さまの場合は注意が必要です。脂質を過度に制限すると、成長やスポーツに必要なエネルギーが足りなくなったり、脂溶性ビタミンの吸収に影響が出たりすることがあると考えられています。
大人の食生活の感覚をそのままお子さまに当てはめるのではなく、「成長期はしっかり食べてエネルギーを満たす時期」という前提で考えたいところです。気になることがあれば、自己判断で食事を大きく変える前に、かかりつけの小児科や栄養の相談窓口に相談してみてください。あくまで一般論として、脂質も含めてバランスよく食べることが、成長とコンディションの土台になると考えられています。
まとめ:脂質のとり方、4つのチェック
- 脂質は成長期に欠かせないエネルギー源と捉える
- 魚・ナッツ・植物油・卵・乳製品などの良質な脂質を意識する
- 揚げ物・お菓子は「ゼロ」ではなく「量と頻度」で付き合う
- 成長期は脂質を過度に減らさず、全体のバランスを優先する
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出典
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」(脂質のエネルギー比率・役割)
- 米国小児科学会(American Academy of Pediatrics)の小児栄養関連推奨
- 日本スポーツ栄養学会



